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私の春夏秋冬 飯沼英雄エッセイ集
飯沼英雄編著(日本文学館)700円+税

 理学療法士として老人福祉施設に勤務する著者。彼の夢は子どものころから好きだった、文章を書いたり絵を描いたりする仕事だった。しかし、その夢は視神経の病気というハンディキャップによって潰えてしまった。

 しかし、この幼きころの夢を還暦を間近に控えて実現することになった。きっかけは母の死を追悼したエッセイだった。これが共同でのエッセイ集となり、さらに新聞投稿が他の人と合同で出版されたりして、ついに著者一人の本が完成した。

 エッセイの内容はまさに多種多彩で、うぐいすやあさがおといった日常の風景から、父母への追悼エッセイまで幅広い。なかには、旅行先で知り合った中国人女性との文通を通じた若き日の恋愛話なども綴られており、微笑ましい。
 この本はエッセイ集であるのと同時に、著者の「自分史」でもある。時系列で並べたものではないが、こういう自分史のまとめ方もあるのかと感心させられる。

 時を経て夢を叶えた著者の文体は軽やかで、いかにも楽しんで書いているという感触が伝わってくる。また表紙の絵も著者が若い日に描いたものだという。
author:自費出版図書館, category:書評, 15:06
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