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わが回想
安藤精紀著(新聞編集センター)

 タイトルが示す通り、77歳となった著者の自分史をまとめた一冊であるが、全体的に非常に読みやすいという印象がある。それは学校時代、遊び、会社、家族、旅行など、項目が順序立てて整理されているからであり、また自らの歴史の年表や家計図、国内外の旅行先をまとめた地図などが豊富に備えられているからだろう。

 著者の著述は出来事を淡々とわかりやすくまとめられている。戦時中、東北の地で過ごした暮らしぶり、大学夜間部に通いながら働いた日産自動車での仕事ぶり、そして老後、全国津々浦々を旅して回った様子が非常にわかりやすく伝わってくる。前半生については仕事の合間を縫って書き起こしていったというから、非常にまめな性格であったことが伺える。

 ただ反面、どの項目もほぼ均一なボリュームで描かれていることから、やや淡白な印象もぬぐえない。自らの暮らしのなかで最も充実したこと、苦労したことの著述がより詳細に、叙情的に描かれていれば、一層筆者の人物像を際立たせられたのではないだろうか。とくに日産自動車の歩みと自らの仕事人生のありようについて、より詳しく知りたいとの思いに駆られた。
author:自費出版図書館, category:書評, 14:40
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