RSS | ATOM | SEARCH
祇園の細路地 おとんぼ舞妓
岩下孟民著(蒼天社)1400円+税

 京都・祇園。艶やかに着飾った舞妓さんや芸子さんがお銚子を手に「お一つどうどす」とお酌をしてくれる。夢のような世界だが、一見さんはお断り。「庶民には縁のない世界」と思うだろう。

 著者は映画プロデューサー、祇園の花街に精通した人物だ。祇園の舞子さんの一人から相談を持ちかけられる。「うちが経験した仕込みさん(修業)時代のことや、舞妓になれた喜びなど、これから舞妓さんを目指す人たちに知ってもらいたいと、思っているんです」。

 著者は屋形(お茶屋)で出かけるたび、新米舞妓の福香さん、姐さん舞子の香凛さん、芸子の福恵さんの三人から丹念に話を聞き、本書をまとめた。祇園に精通し、信頼される著者だからこそ聞くことのできたエピソードが読者を一気に祇園の世界に引き込む。近年、祇園の花街を舞台にした映画が公開されたが、関係者にとって決して快い作品ではなかったという。あまりに先入観や誤解が多いからだ。本書を読めば、日本の伝統文化を支える若い女の子たちの姿に共感を覚えるに違いない。
author:自費出版図書館, category:書評, 15:00
-, -, - -